秋葉惨劇雑感

秋葉原の無差別殺人事件から2日が経過しました。死亡した7名のうち4名はナイフの一刺しで亡くなられたとのこと。そんなに簡単に人間が死んでしまうなんて。
犯人は派遣で自動車工場に勤務し、勤務態度は真面目だったとのこと。しかし、派遣社員の削減が決定し、200名中150名が契約解除される予定だったとか。記者会見で自動車会社が派遣社員を「切る」という表現を使い、あわてて訂正したとのことですが、正に派遣社員の弱い立場を表している言葉。そして犯人も携帯のサイトで書き込んでいました。すなわち、「人が必要」と。固有名詞ではなく「人」という不特定多数の誰でもいいような表現。
非正規社員は常に「解雇」あるいは「契約解除」という、生活困窮にすぐに結びつく恐怖を抱えて仕事をしているのが現状です。こうした恐怖が、いついかなるときに今回の犯人のような行動に結びつくか分かりません。そしてこうした非正規労働者が日本中に溢れていることを思うと、ぞっとしてしまいます。
私の職場にも派遣社員がいて、一生懸命仕事をしていますが、彼女らの心中は常に「次の契約更新は大丈夫かしら」であり、「もしも更新されなかったらどうしよう」なのです。これは男女の区別はありません。
「雇用機会の多様化」をうたい文句に急拡大した派遣労働が、決して社会によい効果を与えているとはいえない現状を、政治がもっと真剣に取り上げていかなければ、秋葉惨劇は繰り返されてしまうのではないでしょうか。
今日はこの辺で。