奥田英朗「家日和」

久しぶりの奥田作品「家日和」読了。軽妙な短編ユーモア作品集。
サニーデイ」はインターネットオークションでささやかな生きがいを得た主婦の話。調子に乗って旦那さんの大事なものをオークションに出してしまって・・・
「ここが青山」36歳のサラリーマンが突然会社倒産で主夫業に。幸運にも奥さんが働き口を見つけたため、切羽詰った状況にはならなかったものの、ユーモアで済まされない悲劇でもあるのですが。「人間いたるところ青山あり」の「人間」は「じんかん」、「青山」は「せいざん」と読むことを知りました。
「家においでよ」何となく別居した夫婦のうち、夫の方がかつての趣味に浸る話。そして会社の同僚たちのたまり場となった部屋。羨ましい男のひと時ではあります。
「グレープフルーツモンスター」AVのシチュエーションに出てくる主婦と訪問販売員の淫靡な雰囲気を想像させるシチュエーション。でも、えげつないところまでは行きませんでした。
「夫とカーテン」思い立ったらすぐ行動に移す夫と、それを制御したがる妻。楽しい夫婦で、二重丸。
「妻と玄米御飯」有名作家(奥田さん本人?)がロハスな妻やご近所の人たちを皮肉ってユーモア小説は書いたものの、妻が気になって原稿を没にしてしまう話。そこまでしなくても?でもやさしいだんなさんでした。
いずれの作品も奥田の真骨頂。ユーモアたっぷりの短編集でした。
今日はこの辺で。