重松清「さつき断景」

重松清「さつき断景」を読む。重松作品は久しぶり。この作品は1995年から2000年にかけての5月に限定したヤマグチさん、アサダさん、タカユキ君のお話。それぞれに家族や学校、会社があり、人生があり、人間関係があるのですが、その6年間の社会の出来事をちりばめてあり、こんな時代だったんだ、と私自身も懐かしく読めました。ヤマグチさんには地下鉄サリン事件の後遺症があり、浅田さんには奥さんの死や出向、退職があります。そしてタカユキ君には阪神大震災のボランティアから始まり、恋人との出会い、浪人生活があります。
何気ない登場人物ですが、それぞれに事件があり、家族や学校や仕事を持つ人間にはどこにもありそうな話をうまく構成していました。
ただし、重松作品としてはインパクトがイマイチか。

話は替わりますが、昨日の党首討論では随分福田首相が怒っていたとのこと。日銀総裁、副総裁人事を4人も否決されてのお怒りのようですが、財務省出身者以外に本当に人材がいないのか?私自身はもっと民間人を探してでも適任者を提案すべきだと思います。財務省天下りポストへの固執がどうしても見えるのですが。
今日はこの辺で。