売れっ子作家の作品

土日の2連休はあっという間に終わろうとしています。寂しいですねえ。
今日は新宿の映画館に「スイーニートッド」を見に行ってきました。血のほとばしる復讐劇ミュージカル。誰彼かまわず殺して、人肉をミートパイにするのは気持ち悪いですが、全体的にはそんなに暗さは感じない映画。期待してなかった割には面白い部類でした。
ただ、途中で眠くて何度かうとうとしてしまったのは、昨日今日の嵐による花粉の乱舞のせい。目がかゆいのなんのって。いよいよ花粉の季節到来です。
先週は当代の売れっ子作家の小説読了。
重松清「リビング」は夫婦や家族を題材にした12編の短編集。何気ない家族の風景からよくもまあ、これだけの作品が生まれること。さすがです。
「ミナナミナナヤミ」は離婚寸前の夫婦の話。何となく結婚生活が不満な妻と、それが理解できない夫。そりゃー、理解できませんよね。夫に特に悪いところはないんですから。そんな夫婦が別れなくなるかもしれない余韻を最後に残してくれました。「分家レボリューション」が最高。本家を守ってきた長女の最後のわがまま。そして、その長女を見守るやさしい人たち。
東野圭吾「天子の耳」は交通事故をテーマにした短編推知小説6篇を収録。どの作品も東野らしい展開と落ちを用意しています。表題作の「天使の耳」も最後に落ちがあって秀逸ですが、私が特に気に入ったのが「危険な若葉」。夜の細い道で後ろからせっつかれて事故を起こしてしまった女性のある種の復讐劇。「天使の耳」もそうですが、事故を誘発した者への復讐は読者にとっても共感を呼びます。ちょっとしたいたずら心からやったとしても、それによって被害を受けたほうはたまったものではありません。そんな読者の心理を読んだ痛快さがたまりませんでした。
今日はこの辺で。