江上剛「座礁」

江上剛座礁」を読み終えました。これぞまさしく、銀行員作家江上剛経験談をそのまま活字にした小説。10年ほど前の第一勧業銀行の対総会屋への不正融資問題の発覚により、経営陣が一掃された際の銀行内部の混乱を赤裸々に描いています。この中にどれだけ脚色があるかは別にして、大筋ではまさにノンフィクションに近いのでしょう。
それにしても、今まで護送船団方式のもと、固く保護されてきた銀行が、実際にはどれほど理不尽な活動をしてきたのか?結局役所の保護の下にいる限り、役所的な発想=事なかれ主義で、悪い病弊を延々と引き継いできた結果が、こうした不祥事を招いたのでしょう。ここに描かれている頭取や会長の、なんと情けないことか。本当にこの程度の人間が経営者として君臨しているのか?本当だったら、情けない話です。
役所といえば、北海道滝川市で、生活保護を受けている元暴力団夫婦が、通院のために使ったタクシー代を、介護保険料として約2億円不正受給していたことが発覚しました。札幌の病院までの片道30万円のタクシー代を請求し、それが実際に支給されていたというからびっくり仰天。開いた口がふさがりません。しかも実際にはタクシーなど使わず、高級自動車やマンションを購入していたとのこと。
書類が整っていたから支給したとの市の見解ですが、果たしてそれですむ問題か?
徹底的に追求し、市長はじめ担当者の責任を徹底的に追及してもらわばければ、滝川市民のみならず、国民が納得しないでしょう。2億円は国民の税金や保険料から支出されているのですから。
今日はこの辺で。