白石一文「永遠のとなり」

白石一文は好きな作家なのですが、世間的には描写が細かすぎる嫌いがあるとのこと。その細かすぎる表現、描写が現れているのがこの作品。
彼は福岡生まれで、福岡を舞台にした小説が多いようですが、この「永遠のとなり」は白石の「私」小説としか思えない作品。「私」小説といえば車谷長吉が思い浮かびますが、車谷の作品を軽めにしたような感じでしょうか。
それにしても、白石はこの作品で何を描こうとしているのか?幼馴染との深い友情、いやそれ以上の男と男のお互いの依存関係を描きたかったのか?どうにも意味不明な作品。
主人公の何とも言えない弱弱しさが際立って仕方がありませんでした。
という訳で、あまりお勧めできない感想を持った次第。
今日はこの辺で。