貫井徳郎「神の二つの貌」

貫井徳郎「神の二つの貌」を読み終える。途中で読むのを止めようかと思ったのですが、それも出来ずに読み終えた次第。どうして止めようと思ったかですが、極めて暗い話で、現実的でなく、読んでいて主人公の牧師とその息子を殴りたくなるほどに苛立たしく感じたからです。
神に仕える牧師でありながら、世間的な倫理観を持たず、信者に何ら安らぎを与えず、人間の生命を全く尊重していないからです。
この小説を読んで私が思い浮かべたのが、日本の裁判官です。司法試験の勉強をして試験に受かり、司法修習し、裁判官に任官した彼らもまた、少なからず世間の常識的な倫理観を持ち合わす機会があるのかどうか?人を裁く資格があるかどうか?
裁判官と牧師と言う、似て非なる職業ですが、人を裁く者、人に安らぎを与える者、いずれにしても崇高な職業でありながら、その実極めて無責任な人間がなっていることが考えられると思われ、そこに危険性が見て取れるのですが。
今日はこの辺で。