角田光代「八日目の蝉」

角田光代の最新作?「八日目の蝉」を読み終えました。前半の1章は女がかつての不倫相手の夫婦の子供を誘拐して逃亡しながら育てる話、そして後半に第2章は、その女に育てられた(4歳までですが)女が過去のトラウマから逃げ出せない話。
私は特に前半の話にひきつけられました。誘拐行為は決して許されるべきものではないが、本当の母親以上の愛情を注いで子供を育てる姿に同情とともに感動を覚え、特に何も知らない子供の薫がいとおしくなるのでした。
このまま成人するまで偽の母親と暮らしていたらどうなっていたのか?考えさせました。
それにしてもここに登場する不倫男たちも何ともだらしない男たち。不倫相手とセックスするときに避妊しないと言う設定も若干現実味が無いのですが、子供が出来た途端に逃げ腰になる男ども。女性の角田さんから見ると、根性の座った男は世の中にいないのかもしれませんが。
今日はこの辺で。