最近の読書レビュー

しばらく読書後のレビューを書かなかったので、まとめて書いておきます。
高知旅行に持参したのが、東野圭吾の短編推理小説「犯人のいない殺人の夜」。どの作品も東野らしい読ませる短編で飽きさせません。特に記憶に残るのが「さよならコーチ」。アーチェリーというマイナーなスポーツの実業団チームの選手とコーチの切ない話。不倫ものでもありますが、こうした狭い世界で、損益次第でどうにでも左右される企業スポーツのはかなさを感じました。同じく高知旅行で読んだ荻原浩の「噂」。レインマンなる殺人鬼が誰なのか?なかなか犯人は浮かび上がらないストーリー展開ですが、推理小説としての深みはいまひとつでしょうか。
次もまた荻原浩の「コールドゲーム」。近じか映画化も公開される様ですが、私のお気に入りの沢尻エリカも出演するようです。この小説もまたいじめを題材にした復讐劇。陰湿ないじめに対して、苛めた者が殺されたりしていく話は一面痛快でもありますが、この小説では痛みわけのような結論。ただ、苛めの代償は大きいことを知らしめる作品でした。こうした事件での裁判ではどんな判決が出るのか?かつて江戸時代にはあだ討ちが認められていましたが、今の日本では勿論ご法度。主人公、特に光也の証言はおそらく苛めたたり、それを傍観していた者達がが悪かったことを証言するのでは、と思います。
最後に昨日読み終えた五十嵐貴久「交渉人」。これもまた以外の結末ですが、「コールドゲーム」と同じく復襲劇のお話。設定があまりにも非現実的ですが、それなりに読ませてくれます。先日も愛知県で人質立てこもり事件がありましたが、そのときの警察は犯人とどんな交渉をしたのか?プロとしてのネゴシエーターがいたのかどうかわかりませんが、この小説では飛び切りのネゴシエーターが登場します。しかし、その交渉があまりにも出来すぎていることから・・・・。現実離れした話ではありますが、犯人たちの家族を思う気持ち、その家族を理不尽な形で失った悲しみと憎悪。これにはみんなが共感するでしょう。
今日はこの辺で。