麻疹と生産性

はしかが流行し、主に大学で休校が増えています。私の住まいの近くにある日大文理学部も休校しているようですし、早稲田大学も全学休校になりました。今日のNHKクローズアップ現代によれば、日本は歯しか治療の後進国、すなわち予防接種が徹底されておらず、はしかの流行が度々起こるような国のようです。これには、一時期予防接種が副作用を発生させ、中断したり、義務化がなされていないと言う事情もありますが、いずれにせよはしかの根絶に至っていない国のようです。
このはしかのテレビを見ていて、同じようなことを思い浮かべました。先ごろ発表された先進国における生産性のランクです。日本は一時期、すなわちバブル期には世界最高水準の生産性を誇っていましたが、今では再開のランクと言うショッキングな記事です。生産性とは、国民一人が生み出す付加価値=GDPのことを言うようですが、これが最低ランクになるというのです。確かに総中流の時代が終わり、現在は格差社会となりました。その結果、低所得層の比重が多くなり、平均所得も下がり、生産性の低下につながっていると言うことです。勿論世界に冠たる日本の製造業は世界有数の生産性を誇っているようですが、サービス部門で低いのが原因となっているようです。
さて、ここで疑問なのが生産性自体の意味です。特にサービス部門の生産性とは何をさすのか?これも新聞の受け売りですが、日本の無料サービス、すなわちお金に換算出来ないサービスの質の高さです。お客様第一主義の徹底は、数字に表せない生産性の高さでもあります。残念なことは、こうしたサービスが対価に反映されず、次第に日本の高いサービスが失われることです。
バブル時期の生産性が本当に今と比べて高かったのかというと、私たちにそういった実感はありません。確かに客観的な数字を使っているんでしょうが、これが本当の意味での生産性=豊かさ=サービスの高さを示しているものではないことを理解しなければなりません。
今日はこの辺で。