伊坂幸太郎「チルドレン」読了

伊坂幸太郎「チルドレン」を読み終えました。伊坂は過去に3回直木賞候補になっていたかと思いますが、その候補作の1つ。家庭裁判所の調査官である陣内、盲目の永瀬など、個性豊かな主人公たちの物語。それにしても小説家はどうしてこんな個性豊かな主人公を作り上げるのか?と嫉妬を感じてしまいます。この小説での陣内は型破りと言おうか、常識はずれと言おうか、とにかく変わった人間ですが、しかし、人間を見抜く洞察力に長け、家裁の調査官としての適正は抜群なのです。
私なんかの性格とは180度違う性格の陣内さんに憧れを抱くと同時に、伊坂幸太郎の才能にもあっぱれと言いたい気分で読み終えました。
直木賞候補3回ということは、今最も賞に近い人物と言えるでしょう。まさしく時間の問題です。
なお、前にも書きましたが、直木賞受賞作はその作家の代表作ではありますか、最高作ではありません。むしろ、かつて候補作となった作品の方が優れている場合も少なくありません。したがって、候補作は一応読んでみたほうがいいでしょう。期待を裏切るような作品はないはずです。
今日はこの辺で。