雫井脩介「クローズドノート」読了

推理作家である雫井が珍しく推理物以外に挑戦した「クローズドノート」を読了。主人公の香恵が住むマンションの前の住人である小学校の教師である井吹先生の置き忘れた(とは言えないのですが)日記を読むことで、香恵自身がある意味成長するストーリー。井吹先生が思いを寄せた男性と香恵があこがれる男性が何故か結びつく・・・・。この辺は読み進むうちにすぐに分かってしまうのですが、この小説の魅力は何といっても井吹先生と香恵と言う主人公が次第に性格も似通って重なってくるところで、いずれも心の豊かな、そして魅力的な女性に描かれているところです。雫井にもこんな作家としての一面があったのかと、感心し、心温まる小説に感謝する次第です。
今日はこの辺で。