「硫黄島からの手紙」観賞

本日、硫黄島2部作のうち日本側から描いた作品「硫黄島からの手紙」を新宿で観賞。〆F釮封切り日であること、第1作の「父親たちの硫黄島」がかなり評判が良く、この作品にも期待が大きかったこと、マスコミが事前にかなりとりあげていたこと、などの諸要因により、国内最大級の席数があるのではないかと思われる歌舞伎町ミラノ座の座席は9割がた埋まっていました。この映画館でこれだけの観客を見るのは初めてですが、作品もすばらしい出来でした。
この映画に出てくるのは99%日本人です。しかし、これはアメリカ映画でもあります。クリントイーストウッドだからこそこれだけの映画を作りえたと思える作品です。今までのアメリカ製の太平洋戦争にまつわる映画は、100%近くはアメリカの論理で日本を描いていたでしょう。すなわち、日本は野蛮人だ、的な描き方がほとんどでした。しかし、この作品は日本人のがわから、アメリカ人が描いています。勿論きれいごとばかりを描いているわけではありません。一貫して描かれているのは、戦争には勝者も敗者もない、あるのは犠牲だけだと言う反戦思想です。
戦闘場面は目を覆いたくなるくらいに残酷で惨たらしい映像です。それをあえて映像化して、観客に見せることによって、戦争の愚かさを直球で語りかけるのです。
硫黄島と言うちっぽけな島で、日本兵2万人強、アメリカへ7千人近くが戦死し、アメリカ兵の負傷者は2万人近くに及んだと言う激戦が何をもたらしたのか。これからゆっくり考える必要があります。
今日はこの辺で。