伊坂幸太郎「魔王」読了

直木賞芥川賞が発表されました。三浦しおんさんと森絵都さんのお二人の女流作家。悲しいかな私は未だ二人の小説を読んでおらず、更にうかつにも初めて聞く名前でした。二人とも第133回直木賞候補になり、今回が2回目のノミネートでW受賞。早速二人の作品はこれから読んで行こうと思います。それにしても最近は女流作家が大変頑張っています。勿論東野圭吾奥田英朗のような巨星とも言うべき男性作家の受賞はありますが、比率的には女性作家が男性作家に勝るとも劣らない活躍ぶりです。今回の135回直木賞にもノミネートされていた伊坂幸太郎ですが、残念ながら今回も受賞を逃しました。若手では最も期待されていますが、直木賞の壁は厚いようです。伊坂の小説も私は未だ読んでいなかったのですが、先週図書館に「魔王」があったので読んでみました。この作品が代表作ではないので判断はできませんが、読後感はいまいち。憲法改正問題を扱っているのか、それとも危うい指導者への危惧を継承しているのか、はたまた今の小泉さんの大衆迎合性を継承しているのか、焦点がはっきりしません。憲法9条改正が次第に政治日程に上ってきている昨今ですが、一度改正したら止め処なく改正を繰り返し、やがては戦争国家に逆戻りの怖い国になってしまう、そんな恐怖を暗示はしていますが、小説としての面白みには欠けています。今度は代表作を読んでみたいと思います。
今日はこの辺で。