熊谷達也「虹色のランドスケープ」読了

熊谷達也と言えば、「邂逅の森」で直木賞山本周五郎賞をW受賞した作家として有名ですが、私は恥ずかしながら未だ彼の作品を読んでいませんでした。本来であれば「邂逅の森」を読めばよいのでしょうが、「マタギ」をテーマとしていることから、何となく敬遠ししていました。別に深い理由はないのですが。図書館で彼の現代をテーマとした「虹色のランドスケープ」という作品があったので、読むことにしました。話はバイク乗りを趣味とする人たちを描く連作短編集。それぞれの短編の主人公が他の話の主人公と直接または間接に関係している連作になっています。そこに描かれる人間模様は、どちらかと言うとごくありふれたもので、そんなにドラマチックなものはありません。この作品が熊谷の代表作では勿論ないのでしょうが、彼の才能を垣間見る思いがしました。これで「邂逅の森」を次回読む気になりました。それにしても、日常のありふれた題材を小説にする巧みさは、どうすれば見につくのか?私自身、一時小説を書いてみたいなあ!と考えたことがあるのですが、アイデアが全く浮かんできません。一時エッチな小説(シナリオ)を若干書いたのですが、全くくだらないものものでした。そんな訳で、このブログも文章の訓練と思って書いていますが、やはり私には才能がないことを実感します。
今日はこの辺で。