嫌われ松子の一生と中谷美紀

金曜映画の日、今日は「嫌われ松子の一生」を観賞。松子という個性的な女性の、どう見ても不幸な53歳の生涯を、喜劇的かつミュージカル的に描いた不思議な映画。タイトルとエンディングは昔のハリウッドのミュージカル映画のようなロゴ、そして前編音楽が絶えず流れるテンポのいいノリで、悲惨な男関係を歩んだ松子が生き生きと描かれます。主演の中谷美紀は、今までの上品タイプから一皮向けて、汚れ役にも挑戦し、なかなか見ごたえがありました。今年度の日本アカデミー賞最優秀女優賞の有力候補になること間違いないでしょう。
よく男運に恵まれない女は映画の主人公になりますが、現実に次から次へと暴力を振るう男にめぐり合うものなのでしょうか?最近は女運の悪い男が増えているように言われますが、これもどうなんでしょうか。松子が会った唯一の優しい男が理髪店の主人でしたが、彼女が服役中に新しい妻をと一緒になり、子どもと戯れている場面があります。松子はこれを見て寂しく理髪店を後にしますが、子の場面が最も残酷かもしれません。一緒になることを夢見て服役し、理髪の免許を取ったのに、帰るところはなかったのです。男に罪は全くありませんが、満開の桜の中で中谷美紀の涙が印象的でした。
それにしても、こういった作品を作れる映像作家が日本にいることは喜ばしいことです。監督は「下妻物語」と言う作品を作った人とのことですが、この「下妻物語」も是非見たいものです。
今日はこの辺で。