久しぶりの金曜映画の日。今日は「明日への記憶」を観賞。渡辺謙扮する49歳の猛烈サラリーマンが、ある日突然若年性アルツハイマーと診断され、次第に記憶力を失っていく物語。医師から宣告を受ける厳しい場面。がんの告知とは違った意味で考えさせられるインフォームドコンセント。死が迫るのではなく、記憶が時とともに、そして確実になくなっていく恐怖。この宣告を受ける残酷さは想像以上でしょう。
この映画の中で、医師が主人公に簡単な診断テストを行う場面があります。実際の診断もこんな感じかどうかはしりませんが、私も患者のつもりで答えようとしました。そして私の結果はこの主人公と一緒の結果です。正確に答えられなかったのです。私も主人公とほぼ同じ年齢ですが、最近記憶力が急激に落ちました。特に人の名前が思い出せません。頭がさえているときはふと思い出すことがありますが、総じて覚えが悪くなっています。そういった意味で、自分にもこんな日が来るかもしれない恐怖を感じながら映画を見た次第です。この映画はほぼ主人公とその妻との愛情と葛藤の物語です。妻は必死に支え、主人公の夫はそんな妻に感謝しながらも、記憶がなくなる恐怖に怯えていく物語です。そして最後には妻の顔を見ても思い出せなくなってしまう場面で映画は終了します。
映画自体の出来はいまいちかも知れませんが、テーマとしては重く、感動ではなく怖さを感じました。
それにしても、相変わらず樋口可南子はうまい演技をしています。勿論渡辺謙もうまいのですが。樋口可南子の何気ない表情の演技はある意味凄みがありました。
今日はこの辺で。
