2024年映画鑑賞のふり返り(4)

「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」7/11下高井戸シネマにて鑑賞。

連合赤軍」などで知られる故若松孝二監督が名古屋に開館した映画館“シネマスコーレ”に集まった映画好きの人間が織りなす痛快な物語。ロマンポルノとピンク映画の違いもよく分からなかったのですが、映画好きの人間にはその違いが明白であり、映画人としての矜持がロマンポルノにも多分にあったことが、シネマスコーレで上映された作品群には表れていたのか。支配人役の東出昌大が若松役の井浦新に上映作品の変更を申し出る場面でそのことを知る。最初は支配人と若松を中心とした話かと思ったが、実は若い映画を愛する男が若松に徹底的に鍛えられる様子が笑いを誘う。そして、在日の若いアルバイト女性が、自分の作るべき映画で迷いながらも、在日の押印問題を取り上げることになるラストは、この映画を楽しみに待ちたいような気分にさせられました。井浦新の若松役は、井浦が演じる、どちらかと言えば物静かな役とは打って違って、ハチャメチャに面白い役柄を演じてくれました。

「ピクニックat ハンギング・ロック」8/2下高井戸シネマにて鑑賞。

約50年前、1975年のオーストラリアの作品で、舞台は1900年ごろのオーストラリアの全寮制女学校。ある日女学生が大きな岩がある森にピクニックに行き、生徒3人と先生1人が行方不明となる。その岩に行くと時計が止まってしまうという不思議な場所。みんなと別れて生徒4人がすぐ帰ると言って岩の上の方に向かうが1人を除いて3人が帰ってこない。先生も残って探すが行方不明となる。町中で大騒ぎとなり大規模な捜索が開始され、一人が発見されるが、彼女は何も覚えていない。女学校は評判を落として校長は自殺。廃校となる、という不思議な映画だが、新鮮な画像と軽快な音楽がマッチして、えも言われない不思議な魅力を放つ映画でした。