天童荒太「永遠の仔」

天童荒太の代表作「永遠の仔」読了。「家族狩り」5部作に続く天童作品に満喫。
家庭環境、特に親からの虐待から精神を病み、四国松山近くのこども病院に入院した3名の児童、優希、梁平、笙一郎の絆、それぞれの家族の描写、そして17年後のそれぞれ独立した3人の、未だに深い傷を抱えた心を描き、文庫本5冊が全く長く感じない作品でした。
天童作品に見られる家族間の虐待とそれを引き継ぐ子供たちの悲しい物語ですが、「永遠の仔」のラストは悲しいもの。誰よりも幸せになって欲しい3人ながら、悲劇ばかりで救いがないのは残念ですが、小説だからやむを得ないのか。
読んでいて、優希と奈緒子という二人の女性には特に幸せになって欲しいと思うのですが、それも叶わない結末がちょっと残念ではありました。
今日はこの辺で。