本日は妻と一緒にミハイル・ハネケ監督作品「愛アムール」鑑賞。
高齢化社会、老老介護問題を扱った悲しい物語。フランスの出生率は日本に比べ高くなっているとのことだが、やはり高齢化と介護問題は万国共通の問題。
突然老妻が認知症を発症し、手術の結果は失敗。ここから夫が妻を介護しなければならないという現実が発生し、それを丹念に描写する。出演者はほぼ老夫婦二人だけ。歳をとっても二人には愛があり、夫は妻を必死に介護するが、最後は悲しい結末が・・・・。
これは決して真新しい題材でもない、極ありふれた家庭の事情であるが、ハイネ監督とふたりの俳優の演技に、ドラマの厚みが増す。病院には決して行きたくない妻の希望を最後まで叶えたことが正解だったのか?
「男と女」のジャン・ルイ・トランティニアンも歳をとったなあ、でも名優だなあ。
昨日は日本映画「任侠ヘルパー」を鑑賞。こちらは日本の介護問題を変わった角度から捉えたエンタテイメント。草薙剛がやくざの金儲け商売として始めた老人施設を、いつの間にか本気になって造り変え、最後はヤクザの親分とたち回ってしまう痛快作。こちらも介護が大きなテーマとして上がっています。
掃き溜めのような老人施設に入れられた人たちを生き返らせるためにはどうしたらいいのか。ただただ無気力に寝かせていては何も良くならない。これは日本の多くの老人ホームが抱える大きな問題。もちろん現実はそんな映画のようにはいきませんが、今のままでは好転しないことは誰でもわかっていることなのですが。
今日はこの辺で。