原発とオスプレイ

原発再稼働問題で、金曜の夕方に実施される官邸周辺での反対デモが盛り上がりを見せ、7月16日の休日には代々木公園で大規模な集会も開催されました。しかしながら、野田首相主導で関西電力大飯原発3・4号機は再稼働され、昨日は関電の社長が美浜原発の稼働にも言及しました。これに対して枝野経済産業大臣が不快感を示したとの記事がありましたが、何となくこれからなし崩しに原発再稼働が始まりそうな雰囲気もあります。
原発規制組織である原子力規制委員会の人選がほぼ決まったようですが、その発足が9月以降になる模様で、政府がやることのスローモーな動きが何とも歯がゆいのですが、その規制委員会がどれだけの力を発揮するかも、疑問のあるところです。
オスプレイ配備問題も、原発再稼働反対の盛り上がりに乗じて、大きな政治問題になっています。森本防衛大臣は民間人ということで、選挙の心配もないからか?かなり大胆に発言していますが、いずれにせよ、最終判断がすべて野田首相に掛かっているような今の政治システムがはたしてよいのか?との疑問がわいてきます。
事故究明がなされないままでは、絶対に飛ばさない、との首相の言葉の根拠はどこにあるのか、本当にアメリカもそれを承知しているのか?そもそも事故究明が明確になされることが可能なのか?可能であれば、既に50回以上のトラブルがあるのであるから、原因究明はされているのが普通と考えるのが自然でしょう。
日米安保基地問題、特に沖縄の普天間基地の問題が何ら進展しない現状から、またもやなし崩しにオスプレイも日本の空を飛ぶのでしょう。
原発も事故調の報告が4件出揃いましたが、結局は原発内部がどうなっているか分からない状況で、いわば各調査委員会の委員の主観的な要素が入らざるを得ない報告書となります。国会事故調は明確に「人災」と定義づけていますが、当然ながら東電の調査報告では、「天災」的な位置づけが読み取れます。
いずれにせよ今後の継続した調査が必要との見解は一致しているので、是非とも調査を継続し、再発防止に努めてもらいたいものです。
私自身は原発再稼働に反対するものではありませんが、なし崩しの再稼働だけは許されるものではないと強く思う今日この頃であります。
今日はこの辺で。