大鹿靖明著「メルトダウン」

大鹿靖明著「メルトダウン」読了。朝日新聞の書評での評価が高かった驚愕の原発事故ドキュメント。
多くの当事者へのインタビューや報道記事により、出来るだけ真実に迫ろうというもの。
前半は事故発災と、現場での作業状況、官邸、東電本社の状況など、生々しく語られます。
そして後半は、その後の政府、東電の状況や原発政策まで語られます。
ハイライトはやはり発災直後の緊迫した状況描写。「事実は小説よりも奇なり」という言葉がありますが、ドキュメントの迫真性が感じられました。
但し、報道された内容も盛り込まれており、その報道がはたして真実なのか?との疑問が残ります。
国会事故調の参考人質疑でも、報道された内容について当事者に尋ねても、否定する場面が多々ありました。結局、言った、言わないの世界になると、録音・録画などが残っていなければ証明ができません。
今回の原発事故では、東電の事故調査、政府の事故調査、民間の事故調査、そして国会事故調差があり、どれが最も真実に近くなるのか。混沌としています。
今日はこの辺で。