宮部みゆき「火車」を観る

4日土曜日に、宮部みゆき原作の「火車」のドラマがテレビ放映されました。
かつて2回小説を読んでいたので、興味深くテレビドラマ観賞。
題材が現代のカード社会、それにつながるクレサラによって負債を抱え込み、自己破産した女と、親の借財に苦しみ、自分を消してしまいたい女を、サスペンスタッチで描く傑作サスペンス小説ですが、カード問題、クレサラ問題という社会問題に真正面から取り組んだ作品でもあります。
小説では、刑事が弁護士から現代のクレサラ問題、そして自己破産問題を詳しく聞く場面があり、クレサラ問題の教材としても一級品に仕上がっています。
今回のドラマも小説にかなり忠実に描いており、見ごたえがありましたが、やはり小説には及ばない出来と言わざるを得ませんでした。
宮部みゆきは「理由」で直木賞をとりましたが、この作品では受賞を逃しています。但し、1992年の山本周五郎賞は受賞。
また、この作品はこのミステリーがすごい!の第6回大賞と、更に2008年には過去20年間の最高賞を送られています。事実、それだけ優れた作品なのですが、直木賞の授賞には至りませんでした。審査員の見識を疑う出来事であると感じました。
今日はこの辺で。