岡嶋二人「99%の誘拐」

福島の第一原発の危機は依然として続いています。電源が繋がったようですが、うまく作動するのか?放水車による大量の海水がプールにちゃんとたまっているのか?原子炉格納容器内の圧力は上がっていないのか?そして何より原子炉内の水は満たされているのか?全てが不明であり、正に予断を許さない状況が続いています。
そして、例え4つの原子炉の機器が去ったとしても、電力供給力は地震前の60%ほど。これから休止中の火力を立ち上げたとしても、供給力は足りず、夏場の電力需要には追いつかず、更なる節電と計画停電が待っています。この結果、工場などの生産設備の稼動はままならず、雇用にも響きます。そして、生産設備の比重が西日本に移り、東日本の不況が更に進む可能性もあります。原子力の停止が以下に大きなインパクトがあるかということを思い知らされました。
さて、久しぶりに書評。昨年から読んでいた池波正太郎の「鬼平犯科帳」全24巻をやっと読み終わり、現代ものにシフト。
先ずは岡嶋二人「99%の誘拐」。かつて幼いときに誘拐された経験がある青年が、ある種復讐のために同じ誘拐を企て、完璧に成功する話。物語の部隊が昭和63年で、こんなにコンピューター技術が発達していなのか?と思われるくらいに、完璧なコンピューター誘拐が行われます。確かに、今の技術を使えば不可能ではないような気もします。したがって、決して夢物語には思えない、現実感があり、最後まで興味深く読むことが出来ました。
今日はこの辺で。