鈴木健夫「ぼくは痴漢じゃない」

痴漢冤罪被害者であるサラリーマン、鈴木健夫氏著「ぼくは痴漢じゃない」読了。
痴漢の冤罪被害については、映画「それでも僕はやっていない」で克明に描かれている通り、被害者の証言をなんら疑うことなく警察の取調べが行われ、検察もこれを追従し、裁判官もまともな審議をすることなく有罪判決を下すという現在のシステムから生まれます。
この著書でも、20分間にも及びお尻を触られ、下車した駅で突然痴漢呼ばわりされて、人生を狂わされた著者の体験と、弁護士の問題提起が語られます。
私自身はあまり満員電車に乗ることがなく、痴漢の現場を目撃したこともありませんが、卑劣な行為であることは間違いありません。しかしながら、たった5万円の罰金ですむような軽犯罪ながら、やってもいないことに「やりました」とは、勿論言えません。その結果、鈴木氏のように会社を辞めざるを得ず、裁判のための借金を負い、人生を180度狂わされてはたまったものではありません。
兎に角、冤罪を生む現在の警察・検察・裁判構造を、我々は信じるのではなく、疑うことからはじめなければ根絶できないのではないか。
裁判では被告人にされてしまった者は圧倒的に不利な状況におかれます。有罪率が飛び切り高い日本ではなおさらです。軽犯罪でも人生が狂ってしまうのです。
今日はこの辺で。