佐瀬稔「うちの子が、なぜ!―女子高生コンクリート詰め殺人事件」

佐瀬稔「うちの子が、なぜ!―女子高生コンクリート詰め殺人事件」読了。20年近く前の少年犯罪史上、最も残虐な事件として有名な事件の裁判を通した犯人たちの生い立ち中心のルポ。
この犯罪では、4人の少年が逮捕され、高裁で主犯格が30年の懲役、そのほかの少年が5~15年程度の懲役刑で、主犯格も含めて4人とも既に釈放されている可能性があります。
ところで著者はこの作品で何を言おうとしているのか。読み進むうちに、ここの少年の育ちや家庭環境に問題があることばかりが強調されているように感じられます。そんな論調で果たしていいのか?
貧しく悲惨な家庭環境で育つ子供は全国にごまんといます。たまたま彼らだけがそんな環境だったわけではありません。この著作を読んでいると、事件の残虐性の出所がゆがめられてしまう、そんな憤りさえ感じました。親の責任は勿論あるでしょうが、精神鑑定での・・・症候群なんて、犯罪の原因ではないはず。
何か読んでいて女子高生が余計にかわいそうになってしまいました。
今日はこの辺で。