翔田寛「誘拐児」

翔田寛「誘拐児」読了。2008年の江戸川乱歩賞受賞作ということで期待して読んだんですが、消化不良の感あり。
終戦直後の昭和21年に発生した誘拐事件と、15年後の昭和36年に発生した殺人事件。この二つの事件が次第に結びついていくというドラマチックな展開はすばらしいのですが、何か足りないというか、不満というか。犯人の存在が小さいことから、作者の意図も犯人探しではなかったような気がします。ただ、それにしては、過去に誘拐された青年中心の物語にもなっていないし、何か中途半端です。
2008年は乱歩賞に2作品が選出されていますが、2作品を選ぶ必要があったのか?
もう一作も後日読んでみましょう。
今日はこの辺で。