連城三紀彦「造花の蜜」

今年の推理小説の話題作、連城三紀彦造花の蜜」読了。
誘拐事件を主題にした推理小説。その誘拐も一風変った趣向で、読者の頭を何度か混乱させるという、凝った内容。
子供を誘拐された母親香奈子の背景にある家族関係、すなわち離婚した夫や、夫の再婚相手の女性、香奈子が出戻った実家の両親や兄夫婦、特に義姉との関係。そしてその実家が営む印刷会社に勤める若い社員。誰が犯人なのか?最初の誘拐事件の結末のどんでん返し、更に二つ目の、仙台で起きる誘拐事件のあっと驚く結末?
確かにたくさんの伏線を作って、巧みに読者を引き込みますが、最初の緊張感が最後までは持続していないのが残念。500p近くの長編ですが、半分ぐらいで読ませてほしい作品でした。
今日はこの辺で。