連城三紀彦「戻り川心中」

連城三紀彦「戻り川心中」読了。「恋文」、「白光」と読み、評判高い「戻り川心中」。表題作ほか全5編の短編集で、恋文と同じ傾向ではあります。いずれも大正から戦前にかけての物語で、懐古調な雰囲気の話。「恋文」よりも3年ほど前に発表された作品で、日本推理作家協会賞を受賞した意欲作。
表題作は、実際に存在したかのように描かれる「苑田岳葉」と言う天才歌人の心中事件の真相を、彼の残した歌から推理しようとする奇抜なアイデアの作品。彼が本当に愛した女性は誰なのか?こういった推理小説もまた、乙な味がありました。
今日はこの辺で。