絲山秋子「沖で待つ」

絲山秋子芥川賞受賞作「沖で待つ」読了。芥川賞作品はほとんど単行本では読んだことがありませんが、たまたま図書館にあったので借りてきました。
絲山秋子さん自身が学卒総合職第一号ぐらいの年代で、事実設備メーカーに勤務した経験があることから、自身の経験を基にした小説となっています。
勤労感謝の日」は、失業中の36歳の女性が見合いをするものの、全く相手と融和できない話。彼女らの年代の未婚率がどのくらいなのか知りませんが、企業で総合職としての苦労があったことをにじませています。
沖で待つ」は、やはり総合職で入社した女性と同期の男性社員との関わり。と言っても男女の関係ではありません。この辺が芥川賞の受賞作たる所以でしょうか?太っちゃんと呼ばれた同期の男性が死んでしまうのですが、なぜパソコンの記録を消さなければならないのか?答えは見つかりません。
両作品とも、純文学的ではない小説で、絲山秋子の今後の大衆文学作品に期待しましょう。
今日はこの辺で。