映画二題

昨日、今日と2本の映画鑑賞。
昨晩は「再会の街で」。9・11アメリ同時多発テロで、一挙に4人の家族を失い、精神に病を持ってしまった男と、彼を支える親友の物語。9・11テロでは乗っ取られた飛行機の乗客やビル崩壊での多数の人が犠牲になりましたが、犠牲者の家族の苦しみもまた計り知れないものでしょう。主人公の精神的な病をどうしたら治せるか?この映画の場合は唯一の友達であるかつてのルームメイトが大きな役割を果たしました。私の会社でも心の病にかかる人が増えていますが、彼らへの接し方のヒントを得たような気がします。しかしこれは、きわめて難しい問題ではあります。親友を演じた黒人俳優のドン・チードルは、ホテルルワンダの主役をつとめていた実力俳優。それにしても最近のアメリカ映画は黒人俳優が主役級を演じる作品が増えました。大統領選挙でもオバマ氏が善戦しているように、アメリカ社会での黒人差別がかなり薄らいできた証拠なのか。
今日見た作品は「長江哀歌(エレジー)」。揚子江上流に建設中の国家的な大プロジェクト、三峡ダム建設に伴い水没する街を舞台に、男と女がそれぞれの妻、夫を探すのをメインストーリーに、三峡ダム建設という大事業に生活を一変させられる人々を描いています。はっきり言って、明確なストーリーがあって、鑑賞者に感動を与えるという類の映画ではありませんが、中国社会の一断面を正直に描いて、見るものを何とはなしに引き込んでいきます。ドキュメンタリータッチの不思議な映画でありました。地元下高井戸の小さな映画館ではありますが、120席ほどの客席は満員。キネマ旬報1位の評判がお客さんをたくさん呼び出したのでしょうか。
今日はこの辺で。