熊谷達也「七夕しぐれ」

熊谷達也の「七夕しぐれ」読了。先日熊谷の「箕作り弥平」を読んで、熊谷作品を再度調べたところ、「七夕しぐれ」が面白そうなので、早速アマゾンで取り寄せて読んだ次第。「箕作り弥平」でも出てきた部落差別問題が主題となって出てくる作品。それも小学校5年生の少年を主人公とした作品だけに、どんな展開になるかと思いきや、「正義」と言う古臭くとも新しい心地よい言葉が出てきて、さわやかな話となっています。
舞台は仙台ですが、年代的には丁度私と同じ主人公の年齢。思い起こせば、まだ学校でまともな同和教育をやっていない時期であり、この小説にあるように、いわれなき差別が親から子へと受け継がれてしまっていた時代です。「寝た子を起こす」議論も勿論ありましたが、それでは決して差別がなくならないことを、この小説も語っていますが、現実にも差別は解消されませんでした。
今学校でどの程度の同和教育がなされているか知りませんが、まっとうな教育をしていれば、部落差別がなくなることを信じたいものです。
今日はこの辺で。