小池真理子「夏の吐息」、森絵都「永遠の出口」

女流直木賞作家二人の作品、小池真理子の「夏の吐息」と森絵都「永遠の出口」を読了。
いつも読了と書きますが、これはただ単に読んだというだけ。情けないことに、よっぽど印象に残る作品以外は、すぐにストーリーを忘れてしまうのです。したがって、「読了」という意味では無いのかもしれません。
小池真理子作品「夏の吐息」は、どちらかというと中年女性の恋愛ストーリーを描いた短編集。はっきり言って印象に残っている作品は無いのですが、このブログを書くために再度ページをめくっていて思い出されるのは「パロール」。年配の詩人兼肉体労働者と会った30代女性が、その詩人に寄せる思いを淡く描いた作品。現場で亡くなってしまったこの男性を思い出して綴られるストーリーはなかなか思慮深いものがありました。その他の作品も読んでるときはそれなりに楽しいのですが、記憶に残らないのが悔しい。
森絵都「永遠の出口」はある女性の小学生から高校生までのストーリーを、トピックス的に語ったもの。途中で投げ出そうかとも思いましたが、最後まで何とか読み終えました。中学生のときにぐれて、どうなるかとはらはらさせましたが、最終的には普通の生活に戻った主人公。
一番印象に残ったのは、家族4人で別府旅行するところ。父親の浮気や姉の失恋が旅行のきっかけなのですが、父親がさりげなく主人公に話す場面、「お母さんとはこれからも長いことうまくやっていく」という言葉に救われる思いでした。
昨日の土曜日は昼間はゴルフ、夜は映画鑑賞の日。思いのほかゴルフからの帰りが早かったので、新宿で映画を見る気になりました。作品は「キングダム」。とにかく凄いバイオレンス。サウジアラビア政府から文句が出そうな作品でもあります。
首都リャドでイスラム過激派のテロが発生、アメリカ人を含む100名の死者が出るという想定。この大自爆テロの犯人を突き止めるべくアメリFBIの敏腕捜査官が現地で辣腕を振るうという内容ですが、イスラム過激派の恐ろしい執念を強く描いた作品でした。これは決して英雄を描いたものではなく、暴力で鎮圧できない根の深さを物語っている作品だと思いました。
今日はこの辺で。