小池真理子「恋」読了

小池真理子直木賞受賞作「恋」を読み終えました。1972年の冬と言えば浅間山荘事件のあったとき。私が中学3年生のとき(歳がばれてしまいました)。私は軽井沢に程近い北佐久郡浅科村と言うところに住んでいたのですが、あのときの騒ぎは今でも鮮明です。勿論現場に行ったわけではなく、この小説と同じようにテレビで緊迫感ある現場を見ただけなのですが、場所的にも近いせいか、鮮明なのです。
この浅間山荘事件と若干小説の中に盛り込んで、時代を表現したこの作品ですが、この事件とは全く関係ない、不思議な恋の物語が展開します。この小説での主人公は3人いますが、殺人を犯した矢野布由子よりも、雛子により魅力を感じてしまうのは私だけでしょうか?。自由奔放な美貌の人妻雛子。最後の兄妹という設定があまりにも偶然で興ざめもありましたが、全体として作者の力を感じさせる作品でした。
今日はこの辺で。