東野圭吾「赤い指」読了

久しぶりの東野圭吾作品、「赤い指」読了しました。直木賞受賞後第一作ですが、たまたま図書館にあったので運よく借りられました。物語自体は「容疑者Xの献身」には全く及びませんが、彼の作品は何故か引き込まれるものがあり、2日間で読み終わりました。刑事事件としてはすぐに解決するような設定で、推理小説としての作品価値は少ない作品だと思います。この作品の主題は親子関係、あるいは家庭環境にあります。すなわち年老いた母と、どうしようもない息子、優柔不断な本人=夫、冷たい妻。
年老いた母が認知症になり、その母への人間的な、暖かい気持ちが消えうせた冷たい家庭の悲しさがにじみ出ていました。犯人である息子が最後に語る犯罪の理由、すなわち「親が悪いんだ」という台詞に全てが集約されてしまう悲しい家庭環境です。
私も同じような都市の子供を持つ親として、家族に対して深い愛情を持って接しているのかどうか?少し反省するところがあるのかもしれません。勿論愛情はあるのですが、家族がそれをちゃんと感じているのか?私の努力が足りないかもしれません。
今日はこの辺で。