安倍内閣の顔ぶれ

昨日組閣が終わり、安倍内閣が誕生しました。顔ぶれを見ると、あまり面白みがない人が並んだという印象です。かつては「重厚内閣」などと呼ばれるような大物が並ぶ内閣がありましたが、最近はそういった大物が顔をそろえる内閣が少なくなりました。これも派閥が弱小化し、派閥の親分を首相候補とするような土壌がなくなってきた証明でしょう。今の派閥の代表と呼ばれる人は、顔もよく知らないような印象の薄い人もいますし、親分の連名の派閥もあり、次第に大物が生まれる風土がなくなっているのでしょう。かつての三角大福中の時代が懐かしくもあります。
それにしてもサプライズがない、論功行賞的な色彩の濃い顔ぶれでどんなことをやるのでしょうか。教育基本法の改正を第一の課題に挙げていますが、教育基本法のどこを変えるのでしょうか?ゆとり教育の弊害が出ているといわれますが、それは教育基本法のせいではないのではないでしょうか。現在の格差を生む社会、お金優先の経済社会の是正が第一であると思います。
数週間前に、一流の大手メーカーの工場で、請負という名の違法な雇用形態が朝日新聞を中心に記事にされ、批判が起こりました。その一流企業とは、いわゆる現在の勝ち組企業といわれるトヨタ松下電器、キャノンなどです。経団連の会長の出身母体である超一流勝ち組企業です。そんな一流企業でも、こういった安い労務費の上に利益を生み出していることが明るみになったのです。中国はじめ海外の安い労務費を相手に競争に勝つためにはやむを得ない選択だという論理は当然妥当性はありますが、果たしてずーっとこれでいいのでしょうか。請負は所詮は短期の労働調整弁でしかありません。派遣もそうですし、契約社員やパートも不安定な雇用形態です。人間はやっぱり安心して働ける場があり、そこからの収入によって家族を養うのが本来の姿です。常に不安定な雇用関係にあっては、家族などもてるはずがありません。
安倍内閣には、是非今の不安定な雇用形態の解消に取り組んでもらいたいものです。再チャレンジが何を意味するかは不明ですが、少なくとも自分で起業できるような度胸と能力を持っている人は限られています。大多数の人間は、雇用される側でしか生きられないのが実態です。そういった大多数の人間の生活の安定こそが求められているのです。起業できるような人は黙っていても再チャレンジするのではないでしょうか。
今日はこの辺で。