「花まんま」読了

朱川湊人「花まんま」読了。先週は珍しく2冊を読みました。1冊は石田衣良「愛がない部屋」。いずれも短編なので読みやすい作品。「愛・・・」は神楽坂の高層マンションに住む人たちの短編。なかなか発想がユニークですが、著者が1篇を書いたらすらすら書けた旨書いていましたが、この発想を思いつくのがさすがに石田さん。最後の表題作がやはり一番良かったと思います。
朱川の「花まんま」は直木賞受賞作。大阪の街を舞台とした怪談調の作品。これもやはり表題作の「花まんま」が最高。自分がある人の生まれ変わりであることを知った少女がその家族の家に確認に行くお話。最後はほろりとさせてくれました。大阪は6年間住み、みなみの方にもよく行ったので懐かしい思いがあります。最後の作品は何故か差別される少年の話。差別の理由は結局書いていませんが、同和差別を言っているのか?作者の意図がいまひとつ分かりませんが、彼としてはそれを暗示しているのかもしれません。飛田新地の娼婦との短い出会いが切なさを盛り上げました。
石田、朱川とも直木賞作家ですが、今後も大いに期待できる作家でしょう。
今日はこの辺で。