危うい日中関係

尖閣諸島付近での中国漁船による日本の海上保安庁巡視船への衝突事件以来、日中関係が危うい関係になっている。小泉時代靖国参拝に対する中国側の反日感情も相当高まったのですが、今回の問題は領有権問題=国土問題=利害問題が絡むだけに、靖国問題よりも始末が悪い問題にも思えます。
尖閣諸島にしろ竹島にしろ、現在は無人島。どこの国に領有権があるかは、歴史を遡るしかないのですが、かといって、歴史がすべてではないのも現実。かつては尖閣諸島に日本の鰹節工場があったといいますが、今は何もなく、経済力と政治的な発言力をつけた大国中国が、海洋資源豊かな地域であり、かつ太平洋への出口でもある東シナ海に目をつけるのは当然。
中国の国土は、日本の20倍以上の面積を持ちますが、面積に比べて海に接する部分は少ない現実があります。いわば中国は内陸国。それに対して島国日本は海上国。水産資源をいままで十分に享受してきただろうという、いわばねたみのようなものも近隣諸国にはあるような気がします。
漁船船長を日本の国内法によって裁くという方針を貫くことがいいのか、外交決着がいいのか?
安易に外交決着したならば、弱腰外交と徹底的に批判されるでしょうし、強硬姿勢を貫いて経済交流までストップという事態になれば、日本経済の生死に関わる事態にもなり、民主党新内閣の頭の痛い問題であります。
ただし、頭がいたいのは中国も同じ。日本に対して弱腰であれば中国国内世論が反政府活動にもなりかねない要素を含んでいる可能性もあります。
ここは何らかの外交決着しかないのではないかと、私的には思うのですが。勿論国際法的には日本の領土であることを前提としてですが。
今日はこの辺で。