連城三紀彦「隠れ菊」

連城三紀彦「隠れ菊」読了。3日間の鉄道旅行で文庫本上下約800Pの長編を暇に任せて読みました。浜松の有名料亭の御曹司の嫁として、家庭に閉じこもっていた主人公の通子が、夫の浮気と、料亭の破産に会い、借金をしてまで小さな料亭を開き、奮闘する物語。そこには、姑の影、夫、夫の愛人、娘と息子、兄の親友、大阪の有名料亭の旦那、有名画家など、個性的なたくさんの人物が登場し、通子を中心にどろどろした人間関係が語られます。長編ですが読んでいて飽きない内容。しかしながら、現実の世の中で起こりうることなのか?これだけの長編にする必要がある内容なのか?という疑問が残りました。
特に夫の愛人となる多衣と通子の関係がこれでもか、これでもかというように、立場が変わっていくのも非現実的。せめて半分の長さであれば、もっと傑作になったのではないか。
今日はこの辺で。