八戸小中野新むつ旅館

冬の東北旅行はあいにくの荒天。最初の訪問地、八戸は強風と雪で身も凍る寒さ。
八戸から八戸線に乗って鮫駅。そこからすぐの蕪島にお参りしたのですが、そこで飲んだ甘酒が何と温かかったこと。甘酒があんなに美味しいものとは。
蕪島近くの海岸では、なんとこの寒さの中サーフィンを楽しむ人が。海の中のほうが暖かいのでしょうか?
そんな強風の中でも少し歩かなければ時間がつぶせないため、海岸沿いを散策。耳が痛いこと痛いこと。
八戸での宿泊地は、小中野の新むつ旅館。ネットで昔の遊郭の建物そのままとの情報で予約したのですが、正にそのまま。行き止まりの広い道が忽然と現れる場所のため、この一帯が遊郭がたくさんあったことが何となく分かるような風情も残っています。20軒以上はあったそうです。
まず驚いたのは、明治30年創業の遊郭の建物の風情、そして、そこに残っている遊客名簿。ご主人が書いたであろうその名簿は達筆で、日時や客の背丈、名前、遊興費、ついた娼妓さんの名前などが記されています。名簿を見ると、何度も目に付く名前があり、遊興費も多額になっています。おそらくは地元の名士で、ドンちゃん騒ぎでもしたのでしょう。
明治30年から昭和33年の売春禁止法施行まで続いた遊郭は、その後何軒かが旅館や料理屋になったそうですが、今は旅館が2軒あるだけで、当時の建物は新むつ旅館のみ。
女将さんが話し好きな方で、楽しい夕食になりました。何とかこの歴史的な建物を残すべく、頑張っていただきたいものです。
今日はこの辺で。