銀行小説

銀行員出身の作家というと深田祐介が有名ですが、最近で最も面白い小説を書いているのが池井戸潤ではないでしょうか。「果つる底なき」で江戸川乱歩賞を取り、今油に乗っています。三菱銀行出身で銀行の内情をよく知っているので、銀行に関する小説がほとんどで、なかなか読ませます。短編の「不祥事」なんかが私は好きですが、昨日読み終わったのが「銀行狐」です。表題作の他に4作、計5作がありますが、そのほとんどがバブル時代の銀行の負の部分を描いています。要は、「銀行は景気のいいときは金を気前よく貸すが、悪くなったらそっぽを向く。」といった銀行の体質を赤裸々に描いているのです。勿論誇張もあるのでしょうが、バブル崩壊以降の不良債権処理と債権回収、そのための貸し渋り貸しはがしの結果、多くの企業が費えていったのは事実です。まだ味読のものがたくさんあるので、これからも注目して読んでいきたいと思います。
私の歯ですが、痛みはなくなったのですが、腫れは引きません。そのためまだ左の歯では物が噛めずに不自由している状態です。おかげで3日間、アルコール抜きが続いています。3日間抜いたのは20年ぶりぐらいのような気がします。心配なのはアルコールを飲みたいとも思わないことです。いよいよ歳なのか、体に偏重があるのか?
今日はこの辺で。