湊かなえ「リバース」

久しぶりの湊かなえ作品「リバース」読了。

主人公の深瀬和人は、現在小さな事務用品店で働く26歳ぐらいの男性で、外回りの営業を担当。よく行く営業先の一つに大学のゼミ仲間だった浅見康介が教師をしている高校があり、ちょっとした事務用品の注文にもこまめに対応する日常。大学のゼミ仲間には、他に大手商社に勤務する谷原、政治家である父親の秘書を務める村井がいる。彼らには大学4年時に苦い経験があった。それは、村井の別荘に車で出かけて楽しもうとした際に、同じゼミの仲間だった広沢由樹が、村井を車で迎えに行く途中、事故にあって亡くなったこと。広沢は運転免許を取って間もなく、かつビールを飲んでいたこと。村井が誰か迎えに来いという命令口調で電話があり、免許のない深瀬と酒を⑦リ飲んでいた谷原と浅見は拒否。広沢もビールを飲んでいたが、人のいい広沢が買って出たのだ。夜の狭く危険な道で広沢は崖に転落したのだ。そんな過去を持つ4人に、「○○は人殺し」という文書が全員に届く。果たして誰がこんなことをしたのか?深瀬が自分に調べさせてほしいと名乗り出て真相を追っていくという話。深瀬の調査は広沢という人間の生い立ちからその性格、人間性、人間関係を追うのだが、関係者が一応に言うのは「広沢は包容力がある」ということ。深瀬は、自分は今まで広沢の死には関係ないと思っていたが、自分を含めて4人全員が大きな責任を負うべきという結論に達する。深瀬の恋人だった美穂子は、実は広沢の恋人でもあり、美穂子は4人に近づいて広沢の死の真相を調べていたのであった。

湊作品はかつて夢中になった時期があったのですが、どうも私には今一つ感動を呼び起こすものがなく、本作もその範疇でありました。

今日はこの辺で。