映画「記者たち 衝撃と畏怖の真実」

8月25日(日)、ギンレイホールにてアメリカ映画「記者たち 衝撃と畏怖の真実」鑑賞。
地方新聞社にニュースを配信するナイト・リッダー社の記者が、イラク戦争アメリカの政党理由となる大量破壊兵器の有無について否定し、政治権力に向き合う姿を描く。ナイト・リッダー社は、地方新聞にニュースを配信する、日本でいえば共同通信時事通信社のような存在の会社と思われます。
2001年の9.11テロ事件をきっかけとして、アメリカ国内ではナショナリズムが勢いをまし、ブッシュ政権は早速アフガニスタンに侵攻し、テロを仕掛けたアルカイダの壊滅と、首謀者とされるビンラディンの首を取るべく仕掛ける。そして、イラクフセイン大統領がアルカイダとつながっており、かつ大量破壊兵器を製造しているとして、2003年にはフセイン政権打倒を目的にイラク戦争を仕掛け、フセイン政権打倒を目指すことになる。このイラク戦争の端緒でもある大量破壊兵器の存在について、現在では存在しなかったというのが事実となっていますが、当時のブッシュ政権は、強引にその存在をでっち上げ、アメリカの大手メディアもそれを丸呑みしてイラク戦争を正当化していた時代。こんな時代にあって、ニュース配信会社であるナイト・リッダー社の数名の記者が、政権幹部からの情報を粘り強く求め、大量破壊兵器は存在しないこと、ブッシュ政権が無理やり戦争を仕掛けていることを主張した姿を描いています。
0.11の衝撃がまだ冷めやらない中、大手メディアがそろって政権に寄り添っていた事実は、大きな教訓としてメディアの存在価値を改めて気づかせてくれます。のちにNYタイムズは、誤報であったことを謝罪するのですが、日本のメディアがこぞって安倍政権にすり寄っている姿がダブります。
現在であれば、対韓国外交もその一例。ほとんどのメディアは日本の貿易制限処置を支持しているような状況が見られますが、果たしてこれでよいのか?もっと外交努力せよというメディアの発言があってもよいような気がするのですが。
ナイト・リッダー社はその後買収され、解散したという記事もありますが、大変残念ではあります。
今日はこの辺で。