池波正太郎「剣客商売」

時代小説の大御所、池波正太郎を読み始めました。読むとなかなかやめられない、と言う読者評どおり、各短編の話が面白く、次がすぐ読みたくなる魅力があります。
剣客商売の主人公はご存知秋山小兵衛、そして登場人物は息子の大治郎、小兵衛の孫ほども歳の離れた女房おはる、女剣士の佐々木三冬、三冬の父田沼意次などなど。
先ずは「女武芸者」。田沼意次の妾腹の娘、佐々木三冬がその女武芸者。この話の中で、これからの登場人物が紹介されています。そして、その後連作短編で、市井のちょっとした事件から、老中暗殺事件などが、秋山小兵衛の活躍を中心に語られます。
まだ一冊を読み終わったばかり。読んだ先から忘れてしまいそうですが、一時の楽しみを当分味わえそうです。勿論、鬼平犯科帳も控えていますから。
さて、剣客商売に出てくる老中の田沼意次。かつて学校の歴史で習ったのは、悪名高い賄賂政治家として印象が強いのですが、小説では優秀で人情味のある政治家として出てきます。そこで調べてみると?
確かに幕府財政を改善すべく、いろいろな改革政策を取り、なかなかの人物。それにもかかわらず、賄賂政治家としてのマイナスイメージが強いのは、彼のすぐ後に登場する松平定信がクリーンだったから。
その松平定信田沼意次憎しとして、悪い風評を流したとの説もあるとのこと。
どちらが名政治家だったのか?歴史が正しく判断してくれることは永遠にないでしょう。
今日はこの辺で。