映画「奇跡」

長崎旅行は何とか乗り切ったものの、身体の調子はどうにもよくならない。今日映画に行ったのですが、途中で気分が悪くなり途中部分はほとんど集中できずじまい。血圧は正常なのだが、それはあくまで服薬しているためなのか?左胸の圧迫感は消えず、息切れも甚だしい。心臓のエコー検査を5月25日に実施して、その結果の診断が6月7日と、2週間近く空くスケジュールは大病院ならでは。循環器専門のないかに行くべきだったかかもしれない。6月も妻が楽しみにしている旅行が控え、何とも私の頭と心は重い状態が続く。何の異常もなく、突然体に異常が来すことはないはずなのだが、いい知れない不安感が付きまとっている今日この頃である。

本日観賞したのは、下高井戸シネマで特集上映されているデンマーク映画作家カール・テオドア・ドライヤーの古い作品。とはいえ、彼の場合は戦前の無声映画の方が知られているようで、鑑賞した「奇跡」は1954年の作品で、1955年のベネチア映画祭金獅子賞を獲得した傑作ドラマとの触れ込み。これに誘われて観に行ったのですが、前述の体調と、映画自体の難解さというか古臭さというか、あまりに突拍子もない奇跡のため、最後は興ざめ。北欧の映画はとかく小難しい、宗教的なにおいがプンプンの作品が多いのですが、本作も例の漏れず、現代人には理解が難しい気がする。

舞台はデンマークの大きな牧畜農家の家。ここに当主の父親と3人の息子、長男の嫁が暮らす。長男の嫁は出産まじかでお腹が大きいが、明るい性格の女性。三男は好きな女性がいるが、父親が反対している。そして最も重要な役柄の次男は、精神的に不安定で、自分が神だと思っているような人間。そんな家族の生活が淡々と描写される中で、長男の嫁さんの出産が危険な状態となり、子供は死産、嫁さんも一時回復するものの、結局息を引き取る。そんな嫁さんを見た次男は突然失踪。そして彼女の葬儀の場に正常に戻った姿で突然次男が現れ、嫁さんを生き返らせるという結末。決してゾンビ映画ではないが、この作品がベルリン映画祭の金獅子賞なの?と私には思った次第。確かに北欧の厳しい環境の中の情景や家族関係、宗教に敬虔な姿などが描写されるが、いかにも都合に言い「奇跡」でありました。

今日はこの辺で。