大人の休日倶楽部「東日本・北海道パス」への挑戦

もう10年以上、JR東日本の「大人の休日倶楽部パス」に、ほぼほぼ100%利用してきましたが、途中から加わった「東日本・北海道パス」には参加してこなかったのですが、今回会社リタイヤを契機に、時間が有り余るほどある人生となったので、はじけて利用することに。お値段は若干高めの26,620円ですが、初日の目的地釧路に行くだけでも32,690円かから事を考えればお安いトクトク切符。

道東の釧路に行きたかったのは、直木賞作家の桜木紫乃さんが、「ホテル・ローヤル」はじめ、多くの作品で釧路の重い雰囲気を書いているので、その雰囲気を味わってみたかったことが第一。特に釧路湿原雄大さを一目見たかったことが大きな理由です。

さて、計画を立てる段階から、同党に行くだけでもかなりの時間を要し、ほとんど列車に乗り通しの旅になること。なかなか釧路以外に経路が浮かばないのですが、あくまで列車の旅で北海道を満喫しようと思い、釧路、標茶旭川、洞爺を宿泊地にして計画策定。

初日の初日の9月12日(日)は列車に乗っているだけの苦難の旅行。6:32東京発の「はやぶさ1号」に乗車、新函館北斗函館本線の「特急北斗9号」に乗り換えて南千歳へ。更に南千歳で特急大空7号に乗り換えて釧路に着いたのが18:40分。丸々半日の列車旅。特に北海道の広さを実感しました。釧路に着いて駅近くのビジネスホテルにチェックインし、夕食のためにフィッシャーマンズMOOという商業施設へ。しかし、緊急事態宣言のためほとんどの飲食店は早じまいで、わずかに開業しているお店でビール一杯をかろうじて飲むことができました。

tだ、釧路の町にはプリンスホテルやANAホテル、大手ビジネスホテルが林立し、思った以上に元気がありそうな町。ただし、夜7時過ぎの街にはほとんど人影がなく、地方都市の衰退を感じた次第。

翌日はせっかくの道東旅行なので、観光バスで国立公園巡り。釧路周辺には釧路湿原と阿寒摩周という2つの国立公園があり、少し北に行けば知床半島もあり、自然の宝庫。8時出発、16時帰還の旅程でも、北海道の広さを感じました。まず訪れたのは摩周湖。釧路は天気が良かったので、青い湖面が拝めるかと思いきや、残念ながら摩周湖はやはり霧の摩周湖。湖面は全く見えずじまい。なお、摩周湖までの道行きで、ガイドさんの説明のほとんどが丹頂鶴やシカなどの動:物の話しで、途中丹頂を二度ほど見ることができたのはよかったですが、写真を撮る余裕がなく残念。その他の動物は見かけませんでした。途中車窓から見る釧路湿原は見事な風景で、時間があれば散策したいところでしたが、これからの人生で再訪できるかどうか?

次の観光場所は硫黄山。恐山のような、地面から硫黄が湧き出るような山で、近くには川湯温泉があります。川湯温泉買いをバスが通過しましたが、ここでも廃業旅館が目立ちました。

最後はまりもで有名な阿寒湖。阿寒湖温泉街にはアイヌ村のような一帯があり、そこで一人食事。豪快などんぶりは濃厚でうまかった。なお、途中に「鶴居村」という村を通ったのですが、非常に綺麗な街並で、牧場の中の軽井沢みたいな雰囲気がありました。町おこし・村おこしの成功例かもしれません。ちなみに「鶴居村」とは、鶴のいる村の意味だそうです。なかなかロマンがあります。

阿寒湖を後にして一路釧路駅に戻り、二日目の宿泊は釧網線(釧路と網走を結ぶ路線)に1時間ほど乗って標茶駅下車、旅館送迎車で「ホテル・テレーノ気仙」というお宿。特急列車も走っていない路線で、一両編成の列車。標茶まで6駅あるのですが、まちらしい町はなく、車窓には釧路湿原が広がっています。しかし、残念ながら既に日が沈み、線路わきには木々が生い茂っているため雄大な湿原の景色を拝むことができず残念でした。

「ホテル・テレーノ気仙」への到着が7時20分前と遅かったのですが、無理を言って食事時間をずらしてもらい、まず温泉へ。このお宿は地域の銭湯的な役割を果たした温泉でもあり、たくさんの地域の方が入浴していました。驚いたことに翌日朝6時過ぎにお風呂に行くと、既にたくさんの入浴客がいました。朝の一風呂の方、仕事前の入浴の方など、地域に親しまれた温泉宿でもありました。夕食には「ラムサフォーク」と言われる羊肉のコース料理が出て、その美味しさとボリュームに大満足。その他の料理も質量ともコスパ最高のお宿でした。コロナ禍で経営が大変でしょうが、ぜひ頑張って頂きたいものです。

初日、二日目と朝が早い日が続きましたが、三日目の朝はちょっとゆっくりの出発。朝風呂と朝食をゆっくり取り、9:30に宿を出発し、標茶駅9:47発の列車で網走経由旭川へ。3日目も列車による長い旅です。網走まで各駅で2時間、途中までは阿寒摩周国立公園のど真ん中を通り大自然と牧畜中心の農地を走り、残り半分はホホーツクの海をまじかに見る旅。この日の海は結構波があって、サーフィンには絶好なのでしょうが、誰もサーフィンをしている人は見かけませんでした。

網走は刑務所でも有名なまち。時間があれば市内を散策したかったのですが、一本列車を逃すとたどり着くのが大変なので駅の写真を撮ったぐらい。昼食をコンビニで調達しようと思ったのですが、駅周辺には見当たらず、やむなく?駅弁を調達して網走を12:35発特急大雪4号で出発。約4時間の長い鉄道旅の始まり。この路線は大雪山の北側を通って旭川に到着するのですが、牧畜と畑以外は山また山。水田はほとんど見かけませんでした。

旭川に16:19に到着しホテルにチェックイン。天然温泉付きのビジネスホテルで、早速お風呂へ。一泊目の釧路のビジネスホテルも天然温泉付きでしたが、お風呂が小さくがっかりしましたが、こちらのホテルは広々としたお風呂で、露天風呂までありました。入浴後、夕食なしコースなので街を散策がてら食事場所を見つけるのですが、どこも緊急事態宣言下で休みやアルコールナシはほとんど。餡掛け焼きそばが自慢の中華料理屋さんに入って焼きそばを注文。ビールはありますかと聞きましたが、ノンアルコールビールだけ。本日はアルコール抜きで体調を整えることにしました。なお、評判通り焼きそばはおいしかったです。

4日目は旭川名物の旭山動物園観覧。8:40旭川駅前発のバスに乗ったのですが、観光客らしき人は皆無。心配しながら到着すると、緊急事態宣言延長につき休園の看板。何たる失態!!!ちゃんとHPで確認すればいいものを、己の馬鹿さ加減を恥じ入るばかり。それにしてもバス乗り場にそんな看板はあったか?なくても自己責任の問題につきますが。

たまたまバスがすぐに来たのでとんぼ返りして予定を変更して早めの列車で4日目の宿泊地である洞爺温泉へ。10:30旭川発の特急ライラック号に飛び乗り、札幌乗り換え洞爺へ。洞爺駅前からバスで14:40には洞爺湖温泉に到着。温泉でゆっくりできる時間帯です。北海ホテルという温泉旅館にチェックインし、温泉街の散策へ。しかしここでも緊急事態宣言による火山博物館の休業や花火の休止など、正常ではない観光地そのもの。湖畔をぶらりしましたが、人気も少なめ。北海ホテルさんは小型の旅館ですが、ここには大型のホテルがかなりあり、経営が苦しいところもあるでしょう。

北海ホテルさんの温泉、食事はじゃらんの口コミなどの通り、大変満足できるもので、コスパが最高でした。やはり温泉旅館は、大型ホテルではなく小さめが最適です。

さて、最終日は本来列車で帰るだけでしたが、急遽函館の街散策に変更。10:00発のバスで洞爺駅、洞爺から特急北斗号で函館に到着。函館で3時間の時間ができたので、朝市場内に数ある飲食店の一つで海鮮丼を奮発して食べ、赤レンガ倉庫街を散策して帰路につきました。

東日本・北海道フリーパスは初めてでしたが、このパスを夫婦で来るの相当きつい旅程。案外男性のみの方が多いように感じました。夫婦で行くなら、函館・旭川・小樽・札幌あたりを中心にした方がよさそうではないかと思った次第です。

今日はこの辺で。