映画「罪の声」

5月6日(木)、下高井戸シネマにて日本映画「罪の声」鑑賞。

日本全国を恐怖に陥れたグリコ・森永事件は、初めての劇場型犯罪であり、かつ未解決事件に終わった、戦後最大ともいわれる脅迫事件。犯人の刃の対象となったのは食品メーカーのグリコ、森永等の複数社。まずはグリコの社長が誘拐され、身代金搾取に失敗後に、社長自らが脱出。これで事件が終了かと思いきや、今度は食品メーカーへの脅迫が始まる。人身の実害は出なかった者の、スーパーの食品に毒を混ぜたという脅迫状が届き、実際に毒も発見された事件。狙われた食品メーカーの製品は撤去され、株価ば下がり、会社は大きな損害を被ることに。脅迫状や脅迫電話が多数届き、正に劇場型犯罪が社会を恐怖の底に突き落とすような事件であったが、突然その犯人から脅迫終了の連絡があり、その通り脅迫はぴたりとやむことになる。しかし、犯人は捕まることがなかったという事件。この事件をモチーフに、作り上げたのが本作で、勿論フィクション。しかし、いかにもありそうな話として描いているところがミソ。本作で描かれるのは、脅迫電話に使われた子供の声。彼らは犯人たちに利用され、それとは知らずに音声を吹き込み、それが実際に犯罪に使われたという設定で、その子供たちが後に悲惨な人生を歩むことになるところも描かれます。星野源演ずる子供の声の一人が、自分の声が犯罪に使われたことに気づき、小栗旬演じる新聞記者と一緒に、他の二人の子供の声を探していく過程を描く。ここで描かれる犯人像は、学生運動崩れの活動家や暴力団員などの複数集団。身代金の受け渡しは危険とみて、株価の信用取引で儲けようとする話になっているが、当時そこまで考えていた捜査陣がいたのか否かは不明。

声を利用された子供の悲劇は、犯罪の罪深さを象徴していました。

今日はこの辺で。