映画「37セカンド」「朝が来る」

2021.05.02(日)、ギンレイホールにて日本映画二題鑑賞。いずれも重いテーマを扱った好作品で、見ごたえのある映画でした。ちなみに、ギンレイホールでの日本映画は久しぶり。前日の一日(土)に開映10分前に行ったのですが、既に会場は満席のことで、出直し鑑賞。いい作品だったからか、久しぶりの日本映画だったからなのか、一日の映画の日だったからなのか、シネコン等大規模映画館が休業していて、営業している映画館に集中したのか、などなど、いくつか理由があったのですが、果たしてどれが当てはまったのか。

「37セカンド」は、出産時に37秒間呼吸ができなかったことから障害が残った女性が、漫画家としてのキャリアを積んでいるものの、ゴーストライターの域から出られず、その殻を破っていろいろの体験をしていくポジティブな映画。身障者の性体験も大胆に描くなど、問題性を多く含んでいますが、決していやらしいものではなく、自然な形で描かれます。ラストに希望を持たせる映画で、心地良さがありました。

「朝が来る」は辻村深月のベストセラー小説の映画化。この作品も特別養子縁組制度やシングルマザーとなることの深刻さや家庭からの離脱など、重い問題を扱っています。子供を授からない夫婦が最後の手段として特別養子縁組を決断。その子供を産んだ女性の家庭や、その後の苦難などを描きます。特に重点が置かれているのが、子供を産む女性の家族や本人の境遇の変化。家族からも見放された女性は東京の新聞配達所で勤務。そこで同僚の女性に騙されお金が必要になり養親のところに、子供を返すかお金を要求しに行く姿は哀れそのもの。シングルマザーで子供を育てることなどできるわけのない境遇ながら、そこまでしなければ生きていけない姿が痛ましい。それでも養親の母親と生みの母が理解しあう姿が描かれ、希望が持てるラストでした。

今日はこの辺で。