東野圭吾「11文字の殺人」

久しぶりに東野圭吾作品「11文字の殺人」読了。東北旅行中の列車移動中の読書には、軽くて読みやすいものがよいだろうと思い図書館で借りた文庫本でしたが、東野作品としては駄作の部類に入る、何の感動も面白みもない作品。しかし、驚くことに1990年の第一刷から数えて201911月現在で77刷目の文庫本。駄作でありながらこれだけ版を重ねるすごさは、当代一の人気推理作家ゆえの事象。おそれいります。

クルージングに出かけた10名ほどの人が嵐に会い、船が転覆して1名が死亡した事件が発端。主人公の「あたし」は女流推理作家で、生き残った恋人が何者かに殺されたことから、殺人犯人を追っていくというストーリー展開。クルージングで1名が死亡した事件が発端になっていますが、動機などが稚拙で、現実味がほとんどないため、中身を軽くしてしまっている印象。1985年の「放課後」以来人気作家となった東野にとっては、既に相当な繁忙期だったのでしょう。合間にちょこちょこっと描いた作品の印象がぬぐえないものでした。

今日はこの辺で。