Netfliksドキュメンタリー「イカロス」

Netfliksドキュメンタリー「イカロス」視聴。

ロシアのドーピング疑惑については、かなり前から騒がれていましたが、ソチオリンピック後に、ドーピングにかかわったロドチェンコフ元RUSADA所長がアメリカに亡命し、その実態を赤裸々に告発してから決定的になり、リオデジャネイロオリンピックの出場禁止をWADA(世界反ドーピング機関)が決めるなど、世界中に知れ渡りました。このドキュメンタリーは、アメリカの自転車競技選手ブライアン・フォーゲルが、ロドチェンコ元所長の告発を中心に迫り、映像化したもの。

観ていてわかるのは、現代のドーピング検査がいかに厳密に行われているかということ、しかし、その穴をくぐるように薬物反応を消す薬も開発されていること、そして、ドーピング検査室まで手が加えられ、ドーピング陰性を出そうとして工夫がなされているということです。

東京オリンピックは1年延期となりましたが、オリンピックでメダル、特に金メダルを取ることがアスリートにとってどれだけ名誉であり、その後の人生までも180°変えてしまうほど重要性をもっているかということ。これがあるからこそ、アスリートやコーチたちが禁止薬物に引き寄せられてしまうことは理解できます。しかし、ロシアの場合は、国ぐるみ、すなわちプーチンの命令の元に行われている可能性が大きいことには驚きます。かつての旧ソ連東ドイツがドーピングまみれでメダルを量産していたことは周知の事実ですが、国家社会主義が破綻し、曲がりなりにも自由主義社会になったにもかかわらず、ロシアにおいては、未だにナショナリズム高揚のためにドーピングが利用されることには違和感を覚えます。

もちろん、ドロチェンコフ元所長の告発に対してロシア政府は言いがかりだと反論しますが、WADAが綿密に調査した結果が国家ぐるみを認めている以上、少なくともフェイクではないはずです。

残念ながらリオ五輪ではロシアとしての出場が、IOCの政治的判断で認められてしまいましたが、2019年12月からの4年、国際的な主要大会から除外され、東京五輪やWカップカタール大会も除外対象になっています。これからどんな展開になるかはわかりませんが、少なくともチームスポーツは除外し、ロシアに反省を求めることが必要ではないかと考えます。

なお、ドーピングはロシアに限ったことでは勿論ありません。大リーグでは2003年から検査が導入されたのことですが、それ以前から疑惑は随分あったようです。カンセコ、ロドリゲス、バリー・ボンズなど、有名選手も引っかかっています。

ツールド・フランスを7回総合優勝したランス・アームストロングは、永久追放処分を受け、過去の栄光はすべて消滅しています。監督・主演のブライアン・フォーゲルは、このアームストロングの事件を契機にドーピング問題に迫ろうとしたのですが、途中でいあ疑惑のロドチェンコフがアメリカに亡命したことから、ロシア中心に問題を追及しています。この映画は、アカデミー賞にも輝いています。

今日はこの辺で。